ペットのお葬式

 先日の夜更けごろ、時間でいうと23時ごろだったでしょうか。

知り合いのお宅から電話がありました。「先ほど亡くなりましたので

今からお参りに来てくれませんか。」

 やはりそうか。こんな時間の電話は、お亡くなりになったという電話が多いのです。それにしてもどなたが亡くなったのだろうか。家族の多いお宅です。あの元気そうだったお婆さんだろうか?などいろいろ考えながら急いで法衣に着替えてお宅に向かいました。

 もう深夜に近い時間ではありましたが、家には煌々と明かりが点いています。車も何台も止まっています。ご家族が亡くなった時によく見かける光景です。気を引き締めて玄関に入りますと、すすり泣きが聞こえてきました。そのまま挨拶の声をかけて仏間に入っていきますとそこに寝かされていたのはなんと、そこの家のペットの犬でありました。つまり亡くなったのは犬でした。

 その犬の周りには3,4人(犬の飼い主のお友達だそうです)が座り泣いておりました。私はその脇に座り事情を聞きました。

 事情を伺えば、犬も大切な家族であり、その死を悼む思いは同じであることを知りました。ならばこの悲しいご縁から共に仏法に出遇わしていただけたらと思いました。そうならば犬も善知識であり如来様であります。

 その後一緒にお勤めをし、お話をしました。そしてお念仏。

 なんまんだぶつ。